下垂体後葉のGALPは出生当日から検出され新生児期に成人レベルまで到達した。対照的に視床下部弓状核のGALPは離乳期と思春期の期間の間で著しく増加した。下垂体後葉のGALPは視床下部弓状核のGALP と異なり成人で行われている血漿浸透圧とホルモン調節に関与していることが示唆された。そして早期新生児にも比較的成熟した体液の浸透メカニズムに重要な役割を担っていると推察された。 下垂体前葉でのNMU mRNAは出生当日から比較的高いレベルが検出された。出生した児の視床下部下垂体副腎軸の活性化と子宮内から子宮外への環境変化に伴うストレス応答によるものと考えられた。ストレスに対する低反応期間は出生後4日から14日と言われておりNMU mRNAの発現が生後8日で減少する時期と一致している。その時期の視床下部下垂体副腎軸の抑制により一時的にNMU mRNAが低下したと推察された。生後14日目以降、下垂体前葉のNMU mRNAは徐々に増加しており、視床下部下垂体副腎軸の成熟に伴う生後発達に関連する可能性がある。
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