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2008 年度 実績報告書

円形脱毛症患者における制御性T細胞の解析-病因解明と新規治療にむけて-

研究課題

研究課題/領域番号 20790799
研究機関京都大学

研究代表者

荒川 明子  京都大学, 医学研究科, 助教 (80432368)

キーワード円形脱毛症 / 自己免疫 / 制御性T細胞
研究概要

円形脱毛症は毛包への臓器特異的自己免疫機序が想定されている。マウスを使った実験では、毛包の移植ではなく、毛包周囲のリンパ球の移入が病態を再現し、また、他の自己免疫疾患合併が多い特徴があるが、なぜ、円形脱毛症患者ではこのような自己免疫反応がおこりやすいのか、その分子メカニズムは不明である。そこで、わたしたちは免疫反応を抑制する、特殊なリンパ球集団である制御性T細胞に着目し、円形脱毛症患者では制御性T細胞が十分働かないこと(制御性T細胞不全)が、このような自己免疫のおこりやすさを説明するのではないかという仮説をたてた。
円形脱毛症患者の末梢血単核球のフローサイトメトリー解析と、円形脱毛症病変部の免疫組織学的解析により、円形脱毛症患者には、末梢血でも、組織浸潤リンパ球中でも、FOXP3+制御性T細胞の割合が有意に減少していることを見いだした。重症、慢性の患者で、より制御性T細胞は減少し、同一の患者でも、円形脱毛症の活動期に制御性T細胞は減少していた。また、病期が長期におよぶ患者群では、短期の患者群にくらべて、有意に制御性T細胞は減少していた。
重症慢性型の円形脱毛症の治療が対症的で、いまだに病因にもとづいた治療がないが、これらの所見は、制御性T細胞の局所投与が有効な治療となりうることを示唆する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008

すべて 学会発表 (4件) 図書 (3件)

  • [学会発表] Immune reaction to candida-Insight from Chronic Mucocutaneous Candidiasis patient-2008

    • 著者名/発表者名
      荒川明子, 小野昌弘, ほか
    • 学会等名
      淡路感染症フォーラム
    • 発表場所
      淡路島
    • 年月日
      2008-09-11
  • [学会発表] Immune reaction to candida -Insight from Chronic Mucocutaneous Candidiasis patient-2008

    • 著者名/発表者名
      荒川明子, 小野昌弘, ほか
    • 学会等名
      真菌分子フォーラム
    • 発表場所
      千葉大学医真菌センター
    • 年月日
      2008-08-23
  • [学会発表] Analysis of Regulatory T cells in Alopecia Areata patients2008

    • 著者名/発表者名
      荒川明子, 小野昌弘, 坂口志文, 宮地良樹
    • 学会等名
      国際研究皮膚科学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-05-14
  • [学会発表] How the crosstalk between effector T cells and regulatory Tcells regulates tumor immunity in malignant melanoma2008

    • 著者名/発表者名
      谷岡未樹, 荒川明子, 小野昌弘, ほか
    • 学会等名
      国際研究皮膚科学会
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2008-05-14
  • [図書] WHT'S NEW in皮膚科学2008-2009円形脱毛症パルス療法の評価2008

    • 著者名/発表者名
      荒川明子
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      メディカルレヴュー社
  • [図書] スキンケア最前線女性の脱毛-脱毛診療の最前線-2008

    • 著者名/発表者名
      荒川明子
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      メディカルレヴュー社
  • [図書] 臨床医学の展望20082008

    • 著者名/発表者名
      荒川明子
    • 総ページ数
      2
    • 出版者
      日本医事新報

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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