UVA1療法は機械の特殊性によりNB-UVBほどは一般的ではないものの、現在までにアトピー性皮膚炎、色素性蕁麻疹、全身性強皮症、尋常性乾癬などに効果があるとの報告がある。マウスの接触過敏反応・遅延型過敏反応においてUVA1でUVBと同様、DTHとCHSで抑制がみられるかを確認したところ、単回照射(100J/cm^2)では抑制がかからなかったが、4日連続照射(100J/cm^2×4)にて反応の抑制がみられた。またこれらのマウスから所属リンパ節の細胞をとり別のマウスに移入しトレランスの誘導を確認したところトレランスは誘導されなかった。そのマウスからリンパ節を取り出し、リアルタイムPCRを用いて解析したところ、制御性T細胞の誘導を示唆するFoxp3の増加はみられなかった。これらのことからは、UVA1照射は、免疫抑制はおこすが、抗原特異的なトレランスは誘導しないことが考えられた。免疫抑制機序解析のためランゲルハンス細胞、真皮樹状細胞の変化を確認したところ、UVA1照射では、通常UVB照射で数が減少するという変化が抑制されていた。またIL-10koマウスを用いて同様に紫外線照射をし、感作、惹起をしたところ、CHSではIL10koマウスでも同様に4回照射にて耳腫れの抑制をみた(感作単独117±28um、UVA1照射+感作46±13um)。その後、再感作をおこないトレランスが誘導されているかを確認した実験では、UVA1照射群での抑制はみられず、トレランスは誘導されていなかった(感作単独142±21um、UVA1照射+感作86±10um)。一方、DTHの実験ではUVA1の4回照射による足腫れの抑制はIL10koマウスにおいて解除された(BL6:感作単独1270±350um、UVA1照射+感作920±200um、IL10koマウス:感作単独1410±36um、UVA1照射+感作1360±64m)。このことからDTHでの免疫抑制にはIL-10の何らかの関与が示唆された(投稿予定)。
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