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2010 年度 実績報告書

紫外線による免疫抑制機序の解析(UVBおよびUVA領域での波長ごとの解析)

研究課題

研究課題/領域番号 20790809
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

新谷 洋一  名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (10336688)

キーワード紫外線 / 免疫学 / 光医学 / 免疫抑制 / 制御性T細胞
研究概要

UVA-1と別の紫外線との混合照射
UVA-1(340-400nm)は近年、強皮症やアトピー性皮膚炎などの治療に効果を示す報告がみられている。昨年度までにマウスの接触過敏反応(CHS)・遅延型過敏反応(DTH)においてUVA1でUVBと同様免疫反応の抑制がみられるかを確認したところ、単回照射(100J/cm2)では抑制がかからなかったが、4日連続照射(100J/cm2x4)にて反応の抑制がみられた。しかしこれはトレランスの誘導はおこさなかった。そのマウスのリンパ節をリアルタイムPCRにて解析したところ、制御性T細胞の誘導を示唆するFoxp3の増加はみられなかった。これらのことからは、UVA1照射は免疫抑制をひきおこすが、抗原特異的なトレランスは誘導しないことが考えられた。一方、Narrowband-UVBの照射は、抗原特異的なトレランスを誘導することを以前に報告しており、またリンパ節でのFoxp3を増加させる。そこで、このUVA1とNarrowband-UVBを組み合わせて照射を行ない(UVA1 4日連続照射後Narrowband-UVBを単回照射)反応の変化を確認した。その結果、接触過敏反応のモデルにおいては免疫抑制(マウスの耳腫れの抑制)をおこすことができなかった。機序解析のため表皮シート、皮膚切片を用いて検索を行ったところ、表皮内のランゲルハンス細胞の数は、Narrowband-UVB単独照射では減少がみられたのに対し、UVA1単独照射では減少を示さず、またUVA1照射をしたあとにNarrowband-UVBを照射した場合でも減少せず、UVA1照射がUVBによるランゲルハンス細胞の表皮からの減少を抑制する結果となった。これは真皮樹状細胞の数でも同様の傾向がみられた。このことからは、UVA1の照射により、ランゲルハンス細胞、真皮樹状細胞の機能変化をおこすことが、免疫抑制の起こり方の変化に関係していると考えられる。現在、追試をおこない、さらに機序解析をすすめている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] ナローバンドUVBによる奏効機序-免疫抑制2011

    • 著者名/発表者名
      新谷洋一
    • 雑誌名

      Monthly Book Derma

      巻: 172 ページ: 5-9

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Tobacco smoke is related to Th17 generation with clinical implications for psoriasis patients2011

    • 著者名/発表者名
      Kan Torii, Chiyo Saito, Takuya Furuhashi, Akiko Nishioka, Yoichi Shintani, Kana Kawashima, Hiroshi Kato, Akimichi Morita
    • 雑誌名

      Exp Dermatol

      巻: 20 ページ: 371-373

    • 査読あり
  • [学会発表] 光の標的と臨床:光に対する免疫応答2010

    • 著者名/発表者名
      新谷洋一
    • 学会等名
      第22回レーザー治療学会
    • 発表場所
      横浜(横浜シンポジア)
    • 年月日
      2010-06-26
  • [学会発表] High-dose UVA1 in combination with narrow-band UVB irradiation completely suppresses UVB-induced Langerhans cell migration and diminishes UVB-induced tolerance.2010

    • 著者名/発表者名
      Yoichi Shintani
    • 学会等名
      70^<th> Society for Investigative Dermatology
    • 発表場所
      Atlanta, US (Hilton Atlanta)
    • 年月日
      2010-05-07

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公開日: 2012-07-19  

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