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2009 年度 実績報告書

白斑モデルマウスの新規樹立と病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 20790821
研究機関中部大学

研究代表者

熊坂 真由子  中部大学, 生命健康科学研究所, 助手 (90469023)

キーワード色素細胞 / 白斑 / モデルマウス
研究概要

本研究では、白斑症の原因の一つがメラノサイトやメラノブラストの移動の異常によって生じると仮定し、その証明と原因となる分子メカニズムを解明することを目的とした。
1)昨年の研究結果より、安定なbeta-cateninを核で発現するメラノサイト(bcat^<sta>)は、ファイブロネクチン上において野生型メラノサイトよりも移動速度が遅い可能性が示された。本年は、同実験結果を数理モデルを用いて証明することに成功した。また、この方法により、野生型メラノサイトは、ファイブロネクチン濃度依存的に移動速度が顕著に増加するが、bcat^<sta>メラノサイトの移動速度は、その影響が非常に小さいことがより信頼性の高い方法で証明された。Beta-cateninが関与する白斑症状には、足場の中でもファイブロネクチンが関与していることを数学的方面からも証明することができた。
2)bcat^<sta>メラノサイトと野生型メラノサイトを、形態学的に比較した。細胞をファロイジン染色し、F-アクチンの配向を観察したところ、野生型メラノサイトにはアクチンが重合した大きなラメリポディアが存在するのに対し、bcat^<sta>メラノサイトでは、ラメリポディア構造が小さいことが判明した。また、細胞と基質との接着部分である接着斑を抗vinculin抗体で検出したところ、bcat^<sta>メラノサイトでは、接着斑の数が少ないことが分かった。細胞のmotilityに必要である、アクチンと接着斑の配向から、bcat^<sta>メラノサイトの移動能の減少には、アクチンと接着斑の変化が関与している可能性が示された。
3)2)の結果を踏まえ、細胞の移動に関わるRhoファミリータンパク質の活性を、bcat^<sta>メラノサイトと野生型メラノサイト間で比較した。野生型メラノサイトでは、bcat^<sta>メラノサイトよりも高いRac1活性が検出され、beta-cateninがメラノサイトの移動能を低下させる可能性があることを、分子面からもより確実なものとすることができた。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Quantitative analysis of melanocyte migration in in vitro based on automated cell tracking under phase contrast microscopy considering the combined influence of cell division and cell-matrix interactions2010

    • 著者名/発表者名
      Letort V
    • 雑誌名

      Math.Model.Nat.Phenom. (In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A novel mouse model for de novo melanoma2010

    • 著者名/発表者名
      Kumasaka M
    • 雑誌名

      Cancer Res. 70

      ページ: 24-29

    • 査読あり
  • [雑誌論文] CD109 expression levels in malignant melanoma2010

    • 著者名/発表者名
      Ohshima Y
    • 雑誌名

      J Dermatol Sci. 57

      ページ: 140-142

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Bypassing melanocyte senescence by b-catenin : a novel way to promote melanoma2010

    • 著者名/発表者名
      Larue L.
    • 雑誌名

      Pathol Biol. 57

      ページ: 7-8

    • 査読あり
  • [学会発表] 紫外線照射によって誘導される悪性黒色腫マーカー遺伝子の探索と発現解析2009

    • 著者名/発表者名
      熊坂真由子
    • 学会等名
      第79回日本衛生学会学術総会
    • 発表場所
      東京北里大学
    • 年月日
      2009-03-30
  • [図書] 生物の科学 遺伝 ヒトの皮膚・眼の色の遺伝学2009

    • 著者名/発表者名
      矢嶋伊知朗, 熊坂真由子
    • 総ページ数
      63-71
    • 出版者
      株式会社エヌ・ティー・エス
  • [備考]

    • URL

      http://web.mac.com/chubu5011/iWeb/1048E42C-1A07-482D-B891-27AC74B179FB/FF1D1736-3DD1-4695-BD0F-AC57F88E0CD1.html

  • [産業財産権] デノボ癌を自然発症するモデル動物及びその用途2009

    • 発明者名
      加藤昌志, 熊坂真由子
    • 権利者名
      中部大学
    • 産業財産権番号
      2009-199142
    • 出願年月日
      2009-08-31

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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