研究課題
若手研究(B)
恐怖、悲しみ、喜びの表情を観察する条件と模倣して一緒に演技する条件、そして相当する表情筋の運動のみの条件を含む課題を健常成人34名(男17名/女17名)に用いたfunctional MRIでの検討を行った。その結果、後部下前頭回、後部上側頭溝などの領域は模倣の際に運動よりも有意に強く活動した。また、観察する際にも模倣と類似した脳活動が多く得られたが、扁桃体、前部島皮質など情動処理に関与する部位は模倣で観察よりも有意に強く活動していた。さらに、女性では男性よりも左半球の後部上側頭溝などの賦活が有意に強かった。これらの対人知覚や情動に関与する脳領域の賦活によって共感という高次の感情が成立し、こうした脳活動には男女差があると考えられた。ダブルブラインドでオキシトシン噴霧剤と偽薬をクロスオーバーで無作為割付した臨床試験でも、これまでに10症例を対象に同様のfMRI実験を行った。実薬投与時には偽薬投与時に比べ、上側頭溝や下前頭回後部および島皮質などの脳部位で脳活動をより強く広範囲に認めた。一方で扁桃体については先行研究での表情刺激課題と同様に活動が低下していた。これらの結果から、オキシトシン投与が共感や他者の意図の理解を生み出す脳活動の賦活増強と関連することが示唆された。今後、更に対象を増やして結果を確定させる。
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