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2008 年度 実績報告書

気分障害の発症機序における選択的スプライシング異常の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20790844
研究機関山口大学

研究代表者

内田 周作  山口大学, 大学院・医学系研究科, 助教 (10403669)

キーワード気分障害 / 選択的スプライシング / 遺伝子発現
研究概要

本研究では、気分障害の発症機序における選択的スプライシング機構の役割を深く探究することを目的とした。平成20年度は気分障害患者末梢白血球における主要な選択的スプライシング制御因子SRタンパクファミリー遺伝子群(10種類)についての発現量を健常群と比較検討した。その結果、うつ状態の双極性障害患者におけるSRp20遺伝子mRNA発現量は健常群に比し有意に低下していた。また、寛解状態におけるSRp20遺伝子mRNA発現量も健常群に比し有意に増加していた。一方、大うつ病性障害患者における遺伝子発現変動は認めなかった。これらの結果から、双極性障害におけるSRp20 mRNA発現量の増加はtrait-dependentであることが示唆された。
さらに、Srp20の双極性障害に対する役割をより詳細に検討するために、気分障害患者におけるSRp20の標的遺伝子発現量の検討を行った。その結果、大うつ病性障害患者うつ状態におけるNogo-B mRNA発現量は健常群に比し有意に増加していた。また、カルシトニン遺伝子mRNA発現量も大うつ病性障害患者うつ状態において有意に低下していた。
以上の結果から、気分障害患者におけるSRp20を介した選択的スプライシング異常の存在が示唆された。これは気分障害の発症機序の一端を担っている可能性があり、本研究結果の精神医学的意義は大きい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Increased expression of splicing factor SRp20 mRNA in bipolar disorder patients2008

    • 著者名/発表者名
      Toshio Watanuki, 他
    • 雑誌名

      Journal of Affective Disorders 110

      ページ: 62-69

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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