研究課題
Philips製の3TMRIスキャナーにて健常者24名の頭部MRI画像を撮影した。撮像方法は通常臨床で使用されるスピンエコーの構造画像を用いた。被験者には書面にて研究内容を告知し、書面にて同意を得ている。なお、この研究は九州大学大学院医学研究院倫理委員会の承認を得ている。これに加え統合失調症20名、双極性障害8名、てんかん15名を撮像した。まずDell製パーソナルコンピューター上でMRI画像を表示しトリミングができ、無償で公開されているMRIcroソフトウェアを用い、手動での組織分離を行った。この作業の記録は元の構造画像のインテンシティを保ったまま、頭蓋骨内部のものとそれ以外のものに分け、ハードディスク上に画像記録上一般的なINT16イメージのファイルとして記録した。これらの画像をMATALBに読み込み、画像の強度をヒストグラムに表示した。その上で分離のアルゴリズムを検討するためにラプラシアンフィルターなどのいくつかの関数を定義し、画像のインテンシティに重ね合わせることで、分離の可能性を検討した。脳の白質、灰白質、脳脊髄液と思われるインテンシティのヒストグラムが得られた。また、全体の重心を計算することが可能になり、ここからのユークリッド距離を変数とした重みづけを行うことができた。数学的なフィルターを適応して、組織分離の可能性を検討したが、明らかに脳実質と思われない部位を脳実質として取り扱うことがあり、フィルターの難しさを実感することとなった。ラプラシアンに加え、画像のエッジを認識するようなフィルターを作成しようと4回微分を試みた。しかしながら分離は完全でなくさらなる工夫を必要とする。また確率論的な手法も試みた。インテンシティの位置の情報からはこれは脳の大きさや位置に大きく左右されることになり、やはりSPMのような標準化を必要とする可能性があることが認識された。標準化を必要としないプログラムを開発しようと試みているが未だ模索している状態である。
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Proc.Cong.Image and Signal Processing IEEE (8)
ページ: 4448-51