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2008 年度 実績報告書

ナルコレプシー候補遺伝子によるオレキシン転写制御機構

研究課題

研究課題/領域番号 20790868
研究機関(財)東京都医学研究機構

研究代表者

田中 進  (財)東京都医学研究機構, 東京都精神医学総合研究所, 研究員 (30399472)

キーワードナルコレプシー / オレキシン / IGFBP3 / Nur77 / 転写制御 / 睡眠
研究概要

本研究では新規のナルコレプシー候補遺伝子として見いだされたIGFBP3およびNur77の効果を検討しIGFBP3によるオレキシン転写制御機構を明らかにすることを目的とした。
オレキシン遺伝子上流配列を用いたレポーターアッセイをおこないHeLaおよびHEK293細胞においてオレキシン上流3.2kb配列は転写活性の上昇を示したが、IGFBP3に対する反応はHeLa細胞でのみ観察された。SH-SY5Y細胞でも転写活性およびIGFBP3に対する反応性が観察された。欠損変異体においてもその転写活性およびIGFBP3への反応性は保持されていた。0.7kb配列よりNurRE配列を欠損させると転写活性自体の消失が観察された。このことはNurRE自体がプロモーター活性を持つことを示唆しており、NurREのみをレポータープラスミドに導入して検討した結果、転写活性およびIGFBP3に対する反応性を有することが示された。さらにNurREがレポーターとして働くことを確認するためSV40プロモーター上流にNurREを導入し検討した結果、NurREはIGFBP3に反応して正の制御に働くことが示唆された。続いてIGFBP3がNur77を介してオレキシン転写制御を行なうのかを示すためEMSAを行なうた。Nur77を発現させた核抽出物でのみNurREのシフトが見られた。Recombinant Nur77を作成しEMSAを行なった結果、Nur77とNurREのバンドの位置が重なった。これらによりIGFBP3の作用がNur77を介することが示唆されたため免疫染色によりNur77がオレキシン神経細胞の密集する視床下部外側野に発現しオレキシン神経核内にも存在すること、Nur77によるオレキシン上流配列の制御も示した。ただしコントロールとして使用したpRL-TK自体がNur77に反応する事が判明したため今後コントロールvectorを変更し再検討を行なう必要がある。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] MX2 Gene Expression Tends to be Downregulated in Subjects with HLA-DQB 1*0602.2008

    • 著者名/発表者名
      Tanaka S, Honda Y, Honda M.
    • 雑誌名

      SLEEP 31

      ページ: 749-751

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Isotype analysis of human anti-Borna disease virus antibodies in Japanese psychiatric and general population.2008

    • 著者名/発表者名
      Matsunaga H, Tanaka S, Fukumori A, Tomonaga K, Ikuta K, Amino N, Takeda M.
    • 雑誌名

      J Clin Virol 43

      ページ: 317-322

    • 査読あり
  • [雑誌論文] IGFBP3 colooalizes with and regulates hypocretin (orexin).2008

    • 著者名/発表者名
      Honda M, Eriksson KS, Zhang S, Tanaka S, Lin L, Salehi A, Hesla PE, Maehlen J, Gaus SE, Yanagisawa M, Sakurai T, Taheri S, Tsuchiya K, Honda Y, Mignot E.
    • 雑誌名

      PLoS ONE 4

      ページ: e4254

    • 査読あり
  • [学会発表] 網羅的遺伝子発現解析により見いだしたナルコレプシー候補遺伝子の機能解析2008

    • 著者名/発表者名
      田中進
    • 学会等名
      第41回 精神神経系薬物治療研究報告会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2008-12-05
  • [学会発表] 視床下部オレキシン発現制御におけるNur77/NR4A1の関与2008

    • 著者名/発表者名
      田中進, 本多真, 川嶋実苗, 新井誠, 野中隆, 深澤みゆき, Eriksson KS, Lin L, 本多裕, Mignot E
    • 学会等名
      日本睡眠学会第33回定期学術集会
    • 発表場所
      郡山
    • 年月日
      2008-06-25

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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