放射線治療による治療効果や副作用の反応は大半が二次的に発生ずるフリーラジカルによるものということが知られているが、治療効果や放射線による副作用の出現時期や障害程度は個人により異なることが知られている。フリーラジカルの寿命はミリ秒単位でありこれまでは放射線照射により体内に発生したフリーラジカルを直接計測することは不可能であったが、近年はフリーラジカルにより酸化された体内の代謝反応物を計測することにより発生したフリーラジカルの量を二次的に定量することが可能となった。 当研究の目的はマウスの組織に対して放射線を照射し、採血により血中の代謝産物を測定することでフリーラジカルを間接的に定量することにより障害の程度とフリーラジカル発生量が相関するかどうか、またフリーラジカル計測が臨床上の放射線治療における障害予測に有効な検査となり得るかどうかを実験的に検証することである。 現時点では実験開始の準備としてウイスマー株式会社より、フリーラジカル計測装置FRAS4と酸化ストレス度計測キット(d-ROMsテストキット)、抗酸化力計測用キット(BAPテストキット)を購入。 フリーラジカル研究に関する文献、FRAS4を用いた実験報告の文献を収集中。 山形大学医学部附属動物実験施設使用者講習を受講し、動物実験の使用資格と使用者ID番号を取得完了。 今後の予定としては、動物実験用のマウス種を選定し、具体的な実験日程を調整することとなっている。
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