近年の新機器の発展により通常捕捉することの出来ないフリーラジカルを寿命の長い酸化物を計測することで間接的に定量することが可能になった。 当研究では哺乳動物のマウス・ラットを用いて放射線を照射することにより、発生したフリーラジカルとそれにより生じた酸化ストレス値を計測する。研究の意義は臨床で用いられている放射線治療によって受ける酸化ストレスを哺乳動物で計測できるかどうかをまず検証することである。放射線照射によるストレスを計測可能であることが分かれば動物のみでなくヒトに応用できる可能性がある。 本年度はラットを用いて低線量群、高線量群、コントロール群の放射線照射後の急性期の酸化ストレス値の変動を計測した。また、高線量を数段階に分けて照射し、各群の酸化ストレス値と皮膚障害の程度も計測を行った。必要に応じて追試験を行う。 今後はデータをまとめ、統計解析・考察を行う予定である。また、十分な結果が得られた場合は然るべき学会において報告し、学術誌に論文として投稿する予定である。
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