• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2009 年度 実績報告書

生体内水分子の拡散に基づいた生体組織微小構造および細胞膜機能の可視化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20790884
研究機関東京大学

研究代表者

今江 禄一  東京大学, 医学部附属病院, 診療放射線技師 (80420222)

キーワードMRI / 拡散 / 生体内水分子 / 細胞膜透過率 / ラット / ヒト / 有限差分法 / 非侵襲
研究概要

本研究は,核磁気共鳴画像(magnetic resonance imaging : MRI)装置より非侵襲的に得られる拡散強調画像(diffusion weighted imaging)を用いて,生体内水分子の細胞膜透過率ならびに細胞内拡散係数と拡散MRI信号との関係を明らかにし,生体組織の細胞膜機能に関して新たな評価手法を構築することを目的とした.本研究ではこれまで,健常ラットおよび健常人の脳神経(皮質)細胞膜透過率を評価した.本年度は脳梗塞ラットを作成し,健常部(非梗塞部)と梗塞部の脳の拡散MRI信号からそれぞれ神経細胞膜透過率を推定し,比較した.
生体内水分子の細胞膜透過率を推定するために必要な数値計算には有限差分法を用いた.細胞膜モデルの構築の後,細胞膜モデルを有限差分法に組み込み,拡散MRI信号の数値計算を行った.細胞膜透過率評価法は,細胞内外空間比,細胞外拡散係数を既知,細胞膜透過率と細胞内拡散係数を未知の変数として,計算値と実験値と比較することにより細胞膜透過率を推定した.推定時には,健常部および梗塞部の構造,特に梗塞による細胞の構造変化を考慮する必要があった.
推定された梗塞部の細胞膜透過率は健常部の細胞膜透過率より低かった.これは,脳梗塞部において酸素供給の低下によって,脳神経細胞に浮腫が生じた結果,水分子の細胞膜透過率が低下したと考えられた.ただし,推定値には多少のばらつきがあった.これは,梗塞部の損傷の度合いの違いや,脳梗塞ラットが健常ラットに比べ測定時の管理の困難さが要因であると考えられた.

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Estimation of cell membrane permeability and intracellular diffusion coefficient of the gray matter in the normal human brain2009

    • 著者名/発表者名
      T.Imae, et al.
    • 学会等名
      ISMRM 17th Scientific Meeting and Exhibition
    • 発表場所
      アメリカ, ハワイ
    • 年月日
      2009-04-21

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi