生体内水分子の拡散に基づいた生体組織微小構造および細胞膜機能の可視化に関する研究

2009 年度 研究成果報告書

• 研究課題/領域番号: 20790884
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 補助金
• 研究分野: 放射線科学
• 研究機関: 東京大学
• 研究代表者: 今江 禄一 東京大学, 医学部・附属病院, 診療放射線技師 (80420222)
• 連携研究者: 篠原 広行 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (90138488) ; 関野 正樹 東京大学, 新領域創成科学研究科, 助教 (20401036)
• 研究期間 (年度): 2008 – 2009
• キーワード: MRI / 拡散 / 生体内水分子 / 細胞膜機能 / 可視化

研究概要

本研究では磁気共鳴画像装置より非侵襲的に得られる生体内水分子の拡散情報を用いて,生体内水分子の細胞膜透過率ならびに細胞内拡散係数を推定する方法を提案し,健常ヒトおよび脳梗塞ラットの脳皮質の細胞膜透過率を推定した.推定された細胞膜透過率は健常ヒトでは76±9μm/sec,脳梗塞ラットの梗塞部では58μm/secであり,細胞膜透過率は梗塞部で低下する傾向があった.これは脳梗塞による損傷が細胞膜機能の低下を引き起こす要因であると考えた.

研究成果

• [雑誌論文] Estimation of Cell Membrane Permeability and Intracellular Diffusion Coefficient of Human Gray Matter. (2009)
  • 著者名/発表者名: T. Imae, H. Shinohara, M. Sekino, S. Ueno, H. Ohsaki, K. Mima, K. Ohtomo.
  • 雑誌名: Magn Reson Med Sci vol.8,No.1 ページ: 1-7
  • 査読あり
• [雑誌論文] Minimization of computational errors in 1D diffusion simulation of nuclear magnetization. (2008)
  • 著者名/発表者名: T. Imae, H. Shinohara, M. Sekino, S. Ueno, H. Ohsaki, K. Mima, K. Ohtomo.
  • 雑誌名: IEEE Trans Magn vol.44,No.11-2 ページ: 4496-4499
  • 査読あり
• [学会発表] Estimation of cell membrane permeability and intracellular diffusion coefficient of the gray matter in the normal human brain (2009)
  • 著者名/発表者名: T. Imae, H. Shinohara, M. Sekino, H. Ohsaki, S. Ueno, K. Mima, K. Ohtomo
  • 学会等名: ISMRM 17th Scientific Meeting and Exhibition
  • 発表場所: Honolulu, USA
  • 年月日: 2009-04-21
• [学会発表] 拡散MRIを用いた脳梗塞ラットの細胞膜透過率評価. (2009)
  • 著者名/発表者名: 今江禄一, 篠原広行, 関野正樹, 上野照剛, 大崎博之, 美馬和男
  • 学会等名: 第65回日本放射線技術学会総会学術大会
  • 発表場所: 横浜
  • 年月日: 2009-04-18
• [学会発表] 拡散MRIを用いた生体内水分子の脳細胞膜透過率評価. (2008)
  • 著者名/発表者名: 今江禄一, 篠原広行, 関野正樹, 上野照剛, 大崎博之, 美馬和男, 大友邦
  • 学会等名: 第36回日本磁気共鳴医学会大会
  • 発表場所: 旭川
  • 年月日: 2008-09-12
• [学会発表] Minimization of Computational Errors in Diffusion Simulation of Nuclear Magnetization (2008)
  • 著者名/発表者名: T. Imae, H. Shinohara, M. Sekino, S. Ueno, H. Ohsaki, K. Mima, K. Ootomo
  • 学会等名: IEEE International Magnetics Conference
  • 発表場所: Madrid, Spain
  • 年月日: 2008-05-04