制限構造における水分子の拡散挙動に着目し、q-space imaging(QSI)を用いた神経微細構造の定量法を開発した。本手法は、通常のMagnetic Resonance Imaging(MRI)とは異なり微細構造の大きさを捉えることができる。その生体組織への有用性を検討すべく、髄鞘形成不全マウスの1つであるshivererマウスに適用した。解析画像のkurtosis mapは、髄鞘染色像と高い相似性を示し、脱髄、髄鞘化の評価法としての有用性を確認した。さらに臨床応用技術展開を目指し、小型霊長類であるコモンマーモセットの脊髄損傷モデルに適用しその有用性を検討した。構造サイズを反映するAverage displacementは損傷中心におけるマイクロレベルの細胞変化を捉えた。これらより本手法は、MRIを用いた神経軸索の損傷や脱髄・髄鞘化を捉える手法として有用である。
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