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2008 年度 実績報告書

CD14+単球由来内皮様細胞によるT細胞制御法の確立と移植免疫制御への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20790931
研究機関広島大学

研究代表者

田中 友加  広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 研究員 (90432666)

キーワード臓器移植 / 免疫寛容 / 内皮細胞
研究概要

臓器移植後に非特異的な免疫抑制剤を使用することなく拒絶反応を制御する方法の確立を目的として、単球由来再生内皮様細胞にT細胞寛容特性の誘導を試みた。健常人ボランティアの末梢血単核球から、磁気ソーティング法でCD14+細胞を分離したのち、GM-CSF、IL-4、血管内皮細胞増殖因子および低濃度LPSを加えた培養液を用い、コラーゲンコートディッシュで培養し、内皮様細胞を誘導した。誘導した再生内皮様細胞は、抗原提示に必要とされる表面分子(CD80, CD86, class II)を発現するとともに、抑制性レセプターであるprogrammed death ligand(PDL)1分子とIg-like transcript (ILT)3が表出することをフローサイトメトリーで確認した。再生内皮様細胞と異系リンパ球を混合培養したところ、CD4+T細胞の応答は認められたが、細胞傷害性CD8+T細胞は誘導されなかった。異系リンパ球混合培養では、刺激細胞と同系の再生内皮様細胞を培養初期に添加すると、CD4+T細胞とCD8+T細胞ともに増殖が抑制された。また、本培養系中ではCD4+CD25+FoxP3+T細胞の出現率の促進と、CD8+CD25+の細胞傷害性T細胞の出現率の抑制が確認された。しかし、異系の再生内皮様細胞には同様の効果は認められず、組織適合性抗原に依存した現象と考えられた。以上、再生内皮様細胞は、制御性T細胞を誘導し、さらに組織適合性抗原特異的に細胞傷害性T細胞を抑制する可能性が示された。ドナー由来の再生内皮様細胞を移入することで、臓器移植後の特異的免疫寛容が誘導しうる可能性が示唆された。

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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