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2010 年度 実績報告書

癌抑制遺伝子BRCA1の安定化因子BAP1の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 20790939
研究機関聖マリアンナ医科大学

研究代表者

西川 裕之  聖マリアンナ医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究技術員 (90387077)

キーワード乳癌 / 遺伝子
研究概要

乳癌及び卵巣癌の癌抑制因子BRCA1はBARD1とRING Finger Domainを介して2量体を形成します。研究代表者は、このRING2量体形成がBRCA1のE3活性に必須であることを2001年に報告しましたが、それより以前の1998年にBRCA1 Associated Protein 1 (BAP1)はBRCA1のRING Finger Domainと結合するUCHとじて同定されていました。にもかかわらずBAP1がBRCA1/BARD1のE3活性あたえる影響は不明でしたが、これは単なる偶然ではないと思い、研究を進めてきました。今回、研究代表者はBAP1がBARD1と結合することによってBRCA1/BARD 1のRINGヘテロダイマー形成を阻害し、E3リガーゼ活性を死活化させることを発見しました。.BAP1はBRCA1だけでなくアミノ酸残基182-365を介してBARD1のRing Fingerにも結合することが分かりました。次にBIAcore解析、Pull Down実験からBAP1がBARD1に結合することによりBRCA1/BARD1複合体の形成を阻害する事が分かりました。これによりBAP1はBRCA1/BARD1の自己ユビキチン化および基質であるNPM1のユビキチン化を阻害しました。また、in vitroにおいてBAP1はユビキチン化したBRCA1(BRCA1/BARD1による自己ユビキチン化)を脱ユビキチン化することが分かりましたが、酵素活性を死活させたC91S変異のBAP1でもBRCA1/BARD1のE3活性を阻害することから、BAP1はE3活性の直接阻害と脱ユビキチン化の2つの機序でBRCA1/BARD1によるユビキチン化を抑制するものと思われます。E3/DUB複合体でこの様なメカニズムを持っているものはこれまでに報告がなく、興味深いと思います。shRNAを用いたBAP1ノックダウン細胞において細胞周期のS期進行の遅延、放射線感受性の亢進、というBRCA1ノックダウンと同様の表現型を示すことから、これらの細胞機能の中で、BAP1とBRCA1は協調してユビキチン化の調節を担っているものと思われます。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Recruitment of phosphorylated NPM1 to sites of DNA damage through RNF8-dependent ubiquitin conjugates2010

    • 著者名/発表者名
      Ayaka Koike
    • 雑誌名

      Cancer Research

      巻: 70(17) ページ: 6746-6756

    • 査読あり

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公開日: 2012-07-19  

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