研究概要 |
体表面に切開層を置くことなく、口腔、肛門、膣、尿道より内視鏡等を挿入して腹腔鏡下に行う手術(Natural orifice transluminal endoscopic surgery(NOTES))において施行困難であった腸管の吻合等の手技が、手術支援ロボット(da Vinci surgical system)の使用により、簡便かつ安全に施行可能でることを証明すべく独自のモデルを作成し手術支援ロボットにてNOTES小腸吻合を試みた。 具体的には下記を実施した。 (1) NOTESモデルの作成 Tuebingen MIC-Trainer(Richard Wolf GmbH, Knittlingen, Germany)を使用し、Anal Ringに牛の直腸を固定しTEM(Transanal Endoscopic Microsurgery)用のチューブを挿入。また、Tuebingen MIC-Trainer内にブタ小腸30cmを留置し、NOTES小腸吻合モデルを作成。 (2) NOTES小腸吻合の施行 Tuebingen MIC-Trainerに固定したTEMチューブより、手術支援ロボットのカメラ、手術用鉗子を挿入し直腸の壁を切開して、TEMチューブ自体を切開した直腸壁に挿入。手術支援ロボットを使用してTuebingen MIC-Trainerに留置してある小腸の吻合を施行。吻合後、切開した直腸壁を手術支援ロボットを使用して縫合閉鎖。 今回の研究により、手術支援ロボットによるNOTESが、より安全かつ簡便に高い精度で施行できることが証明できれば、日本のみならず世界的に普及することも期待できる。
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