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2009 年度 実績報告書

ケモカイン受容体CXCR3を介した大腸癌進展機構の解析と治療

研究課題

研究課題/領域番号 20790953
研究機関京都大学

研究代表者

河田 健一  京都大学, 医学研究科, 助教 (90322651)

キーワード大腸癌 / ケモカイン受容体 / 転移
研究概要

申請者らは大腸癌細胞を用いた実験でケモカイン受容体CXCR3はリンパ節転移に、CXCR4は肝転移に関与することを既に報告していたが、さらに臨床検体を用いた検討でCXCR3とCXCR4はいずれも発現群は非発現群よりも有意に予後が悪いこと、さらに両者を共発現している症例が最も予後が悪いことを明らかにした。その機序として、高い転移能をもつ大腸癌細胞株SW620 (CXCR3とCXCR4を内在性に共発現している)を用いたin vitroの検討で、CXCR3やCXCR4はそれぞれのligandに対して走化能、浸潤能を示すばかりでなく、CXCR3 ligandの刺激条件下ではCXCR4の遊走能、浸潤能、増殖能のいずれもが増強されることを明らかにした。これらの結果はCXCR3とCXCR4の間には相乗効果があることを示しており、さらにその機能解析を進めるため、SW620細胞にmiRNAを遺伝子導入することで(1)CXCR3のみを発現抑制、(2)CXCR4のみを発現抑制、(3)CXCR3とCXCR4の両方を発現抑制、した3種類の安定細胞株を樹立した。これらの3種類の細胞株を用いてマウス転移モデルにおいて転移能がどのように変化するか、微小転移段階から肉眼的転移巣形成段階までを経時的に解析中である。今後は臨床応用をめざし、(1)CXCR3阻害剤(AMG487)、(2)CXCR4阻害剤(AMD3100)、(3)CXCR3阻害剤(AMG487)+CXCR4阻害剤(AMD3100)の両方、をマウスに投与する事で転移能がどのように変化するか、検討を進めることを予定している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2010 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Hepatic stellate cells promote liver metastasis of colon cancer cells by the action of SDF-1/CXCR4 axis2009

    • 著者名/発表者名
      松末亮
    • 雑誌名

      Annals of Surgical Oncology 16

      ページ: 2645-2653

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 大腸癌の浸潤・転移におけるケモカインシグナル2009

    • 著者名/発表者名
      河田健二
    • 雑誌名

      分子細胞治療 8

      ページ: 31-35

  • [学会発表] 大腸癌の浸潤・転移におけるケモカイン・シグナル2010

    • 著者名/発表者名
      河田健二
    • 学会等名
      第110回 日本外科学会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2010-04-09
  • [図書] Cancer Drug Discovery and Development-Chemokine Receptors in Cancer2009

    • 著者名/発表者名
      武藤誠、河田健二
    • 総ページ数
      63-78
    • 出版者
      Springer

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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