高肺血流性肺血管病変の進行には高肺血流のshear stressによる内皮細胞障害の関与が疑われる。肺高血圧症における内皮細胞障害のマーカーであるVEGF(血管内皮細胞増殖因子)濃度および高肺血流性肺高血圧ラットにおける高感度放射光微小血管撮影法を用いた肺動脈造影と肺血流velocityを測定した。術前血清VEGF値は疾患群で157.4±35.4pg/mlであったが、コントロールは43.0±22.9pg/mlであり有意な上昇を認めた。高肺血流性肺高血圧ラットにおいて肺動脈のvelocityは中枢側では111.5±23.5mm/sec (mean±SE)、末梢側では71.7±23.2mm/secであったがコントロールは中枢側117.0±13.5mm/sec、末梢側9.4±2.6mm/secであり、高肺血流性肺高血圧ラットでは末梢側のvelocityの有意な上昇を認めた。
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