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2008 年度 実績報告書

大動脈瘤に対するラッピング効果とDDSを利用した低侵襲治療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20790986
研究機関名古屋大学

研究代表者

江田 匡仁  名古屋大学, 医学部・附属病院, 医員 (70467299)

キーワード大動脈瘤 / 低侵襲手術 / ドラッグデリバリーシステム(DDS) / doxycycline / pitavastatin
研究概要

本研究は、近年増加傾向にあり日本人死因の1.2%となっている動脈瘤に対し、根治手術となる人工血管置換術が、余りに侵襲が大きいために、手術を受けることが困難となるような患者に対し、病理・病態的観点からアプローチし、新たな治療法を開発する。
[担体の開発]MMP-2の発現を抑制することで、動脈瘤の進展を防ぐ薬剤としてDoxycyclineがあるが、歯牙色素沈着や菌交代による感染症などの副作用により、全身投与による治療は非現実的となりつつある。我々は生体吸収性材料に薬剤を混和し、徐放化するドラッグデリバリーシステムを開発した。薬剤にdoxycyclineを用い、生体吸収性材料として高分子ポリマーのポリ乳酸とポリグリコール酸の共重合体を用いた。これらを特殊溶媒中で高電圧を印加するelactrospinning法を用いてナノファイバー化した担体を作製した。この担体は、薬剤がin vitroでは、最初の1~2日で30%程度、その後は徐々に1ヶ月で50%程度溶出し、in vivoでは最初の1~2日で70%程度、その後は徐々に1ヶ月ですべてが溶出した。In vivoで急激に溶出する原因は、ポリマーの加水分解による溶解に加えて、貧食細胞の食作用が影響したのではないかと考えられた。
[doxycycline溶出担体の効果]doxycycline溶出担体と大動脈組織とを共培養した場合、大動脈内エラスチン量は有意に維持され、MMP量も有意に減じていた。上記結果から、動脈瘤に対する可能性が示唆された。現在、アポE欠損マウスによる動脈瘤モデルを作製したので、in vivoにおけるこの担体の効果を検討する計画をしている。
*スタチン溶出担体に関して : 同様の手法でスタチン溶出担体を作製したが、細胞との共培養で、細胞がアポトーシスを起こし、実験系が成り立たなかった。現在スタチン濃度を最適化している。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (4件)

  • [学会発表] 間葉系幹細胞および薬剤溶出ナノファイバーを用いた大動脈瘤治療の可能性2009

    • 著者名/発表者名
      江田匡仁, 他
    • 学会等名
      第8回日本再生医療学会
    • 発表場所
      東京
    • 年月日
      20090305-20090306
  • [学会発表] ARとSVC症候群を呈した破裂製バルサルバ洞瘤の1例2008

    • 著者名/発表者名
      江田匡仁, 他
    • 学会等名
      第51回関西胸部外科学会学術集会
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      2008-06-20
  • [学会発表] 大動脈二尖弁に対するvalve sparing operation2008

    • 著者名/発表者名
      江田匡仁, 他
    • 学会等名
      第51回関西胸部外科学会学術集会
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      2008-06-19
  • [学会発表] 特異な形態を呈したBentall術後仮性動脈瘤の1手術例2008

    • 著者名/発表者名
      江田匡仁, 他
    • 学会等名
      第51回関西胸部外科学会学術集会
    • 発表場所
      富山
    • 年月日
      2008-06-19

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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