研究概要 |
ヒト肺癌細胞株Ma44-3をSCIDマウスへ同所性移植し, 肺癌モデルマウスを作成した. 全てのマウスで肺に腫瘍を形成した. 光感受性物質を用いた肺癌の蛍光診断における薬剤至適濃度を設定するために, 薬剤投与から蛍光診断までの時間を2時間に固定し, 濃度の異なるタラポルフィン(腹腔内投与)及び5-アミノレブリン酸(経口投与)を2匹ずつのモデルマウスに投与してVLD-M1(M&M社)を用いて肺腫瘍と正常肺の蛍光を観察し, 蛍光強度を測定した. その結果肺腫瘍と正常組織における蛍光の差が最も大きかったのはタラポルフィン5g/kg, 5-アミノレブリン酸100mg/kgであった. また薬剤投与から観察までの最適時間の検討を行うためにタラポルフィン5g/kg, 5-アミノレブリン酸100mg/kgを投与し, 異なる観察時間で肺腫瘍の蛍光を観察し、蛍光強度を測定した. その結果肺腫瘍の蛍光が最も強かったのは薬剤投与から3時間であった. Ma44-3はSCIDマウス同所性移植モデルにおいて高頻度に縦隔リンパ節に転移するが, 蛍光診断において蛍光が観察された縦隔組織を病理学的に検討すると縦隔リンパ節転移が存在することが証明された。 本実験のpreliminaryなデータをOncology Reports(in press)に誌上発表の予定である.
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