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2009 年度 実績報告書

脳血管障害におけるアディポネクチンの役割の解析

研究課題

研究課題/領域番号 20791008
研究機関京都大学

研究代表者

西村 真樹  京都大学, 医学研究科, 助教 (60452348)

キーワード脳卒中 / アディポネクチン / 肥満 / 脳梗塞 / 脳血流
研究概要

マウス一時間中大脳動脈閉塞モデルにより、脳梗塞を作成し免疫染色を行うと普段は正常の血管内皮には見られないアディポネクチンが、虚血後早期より虚血脳、とくにペナンブラ領域の特に内皮細胞に集積を認めた。これらの集積は再還流後24時間及び48時間においても継続して観察された。そこで脳梗塞後の血中のアディポネクチンの濃度をしらべると手術だけを行った対象群と比べて有意に減少していた。このことは梗塞によりアディポネクチンが消費されまたその補充が加療の可能性になりうることをしめしている。
以上よりアディポネクチンが脳梗塞後の血流に関与していることが考えられたため、アディポネクチンノックアウトマウスにおいてdistal MCAOモデルを使用して脳血流を測定した。リアルタイムに血流を観察すると興味深いことにcoreとよばれる血流が20%以下に低下する面積は両群間にて変化がなく、血流が20~60%低下するいわゆるペナンブラといわれている領域の面積がノックアウトマウスで増加し、またペナンブラの領域の血流も低下していた。ノックアウトマウスの血管構造はワイルドタイプと比べて特に変化はなく、微小側副循環が障害されていることが予想された。
またフィラメント法にて一時間の中大脳動脈虚血再還流モデルを作成し、その後対象物を標識した色素を静脈注射したのち、蛍光顕微鏡にて微小循環を測定観察した。具体的には炎症細胞のうち白血球をRhodamine 6Gで、血清をFITC-dextranで蛍光標識し、脳表面の微小循環及び細胞-内皮細胞間相互作用を生体顕微鏡でreal timeに観察した。虚血後の微小循環では蛍光された白血球が可視化され、また虚血脳において壁への集積および接着時間が亢進していることが分かった。現在アディポネクチンノックアウトマウスを使用してさらに解析中である。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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