ます、骨髄幹細胞を分離培養し、健常ラットに線条体に移植を行い、リハビリ群と非リハビリ群に分けて、早期の移植細胞に与える影響を検討した。行動学的な変化はリハビリによって明らかではなかったが、移植1週間後屠殺されたリハビリ群ラットでは、生着細胞数が増加する傾向を示した。 ついで、疾患モデルとして、後肢懸垂による廃用症候群を作成した。廃用症候群モデルラットでは、これまでの研究と同様に2週間で強い後肢筋肉の萎縮を認め、行動学的にも自発運動の低下や運動機能低下を認めた。さらに、廃用症候群モデルに対する骨髄幹細胞移植を行い、細胞移植とリハビリのダブル治療を行った群では、行動学的改善が得られた。現在組織学的に、リハビリにより移植細胞の生存がどの程度改善するかを確認している。また、21年度には分化や遊走に対しての影響も評価する。さらに、移植により、神経栄養因子や成長因子がどの程度変化するか、リハビリがこれら因子の分泌に影響を与えるか、などについても検討を進める。 因子の分泌に影響を与えるか、などについても検討を進める。 本研究において、他の中枢神経疾患モデルに対する同様の研究も行っている。パーキンソン病や頭部外傷モデルラットを作成した。パーキンソン病では特に、リハビリを行うことにより、行動学的改善や組織学的改善を認め、リハビリ単独でも神経保護効果が得られることが明らかになった。頭部外傷モデルについては、条件設定を詳細に行い、安定した頭部外傷が得られるようになった。現在移植治療とリハビリを組み合わせたこれら疾患に対する治療効果が、それぞれ移植リハビリ単独で行った場合と比較してどのように変わるかを検討している。
|