われわれが、悪性脳腫瘍に対する治療法として着目し、研究を行ってきた光線力学療法とは、光に反応する光感受性物質と、光照射を用いて殺細胞効果を生み出す治療法であり、すでに、肺がん、頭頚部がん、子宮がんなどさまざまな悪性腫瘍に対して臨床の現場で有効な成績が数多く報告されている。光感受性物質は、一方で、放射線感受性を増強させる効果を有することが報告されているが、脳腫瘍に関する報告は極めて少ない。本研究では、すでに臨床応用されている光感受性物質の一つである5-アミノレブリン酸(以下5-ALA)について着目した。これ自身は、光感受性物質ではないが、腫瘍細胞内に取り込まれることでプロトポルフィリンIX(以下PpIX)、が生成され、このPpIXが光感受性物質としての性質を有する。今回5-ALAを用いて、悪性グリオーマ細胞株における放射線感受性増強効果を検討する。
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