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2008 年度 実績報告書

低出力超音波パルスが新鮮骨折と難治性骨折の治癒に及ぼす作用についての生物学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 20791036
研究機関神戸大学

研究代表者

新倉 隆宏  神戸大学, 医学部・附属病院, 特命助教 (40448171)

キーワード低出力超音波パルス / 骨折治療 / 骨折血腫 / 偽関節 / 新鮮骨折
研究概要

本年度の目標は、骨折血腫細胞と偽関節細胞に対するLIPUSの生物学的作用を解明することであった。骨折血腫細胞培養系にLIPUSを作用させた実験(刺激後2, 4, 7, 14, 28日というtime pointで評価)において、次のような成果が得られた。
1. Alkaline phosphatase活性はLIPUS刺激によってcontrolに比べて上昇を認めた
2. Osteocalcin分泌量についてもLIPUS刺激によってcontrolに比べて上昇を認めた。
3. 細胞外基質石灰化能もLIPUS刺激によってcontrolに比べて上昇を認めた。
4. 骨芽細胞系細胞関連マーカーであるosteopontin, bone sialo protein, PTH receptorの遺伝子発現も、LIPUS刺激によってcontrolに比べて上昇を認めた。
5. 骨芽細胞系細胞への分化において重要な転写因子、Runx2, osterixの遺伝子発現もLIPUS刺激によってcontrolに比べて上昇を認めた。
6. 細胞増殖にLIPUSが及ぼす作用を検討したがLIPUS刺激群とcontrolで有意差を認めなかった。
つまり、骨折血腫細胞培養系においてLIPUSは、増殖においては影響を及ぼさないが、骨芽細胞系細胞への分化を促進するという新たな知見を見出すことが出来た。このことは、LIPUSの骨折治癒促進作用の新たなevidenceとなり、近年LIPUSの新たな保険適応となった新鮮骨折への積極的な臨床応用を支持する結果と考えられる。特記すべき点として、ヒトの実際の骨折部から得た細胞においてLIPUSへの応答を証明したことが挙げられる。続いて偽関節症例から得た偽関節細胞へのLIPUSの作用を以上と同様に検討中であるが、現時点では、骨折血腫細胞とは異なる応答パターンをとる傾向があるかと考えている。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Osteogenic activities of human fracture haematoma-derived progenitor cells are stimulated by low intensity pulsed ultrasound in vitro2009

    • 著者名/発表者名
      Hasegawa T, Miwa M, Sakai Y, Niikura T, Kurosaka M, Komori T
    • 雑誌名

      J Bone Joint Surg Br 91

      ページ: 264-270

    • 査読あり
  • [学会発表] 低出力超音波パルスはヒト骨折血腫由来細胞の分化を促進し骨形成に作用する2009

    • 著者名/発表者名
      新倉隆宏、長谷川巧実、三輪雅彦、酒井良忠、大江啓介、李相亮、岩倉崇、康暁博、黒坂昌弘
    • 学会等名
      第12回超音波骨折治療研究会
    • 年月日
      20090000
  • [学会発表] ヒト新鮮骨折において、低出力超音波パルス(LIPUS)は骨折血腫細胞の骨分化を促進する2008

    • 著者名/発表者名
      岩倉崇、長谷川巧実、三輪雅彦、新倉隆宏、酒井良忠、大江啓介、李相亮、黒坂昌弘
    • 学会等名
      第23回日本整形外科学会基礎学術集会
    • 年月日
      20080000

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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