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2010 年度 実績報告書

低出力超音波パルスが新鮮骨折と難治性骨折の治癒に及ぼす作用についての生物学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 20791036
研究機関神戸大学

研究代表者

新倉 隆宏  神戸大学, 医学部附属病院, 特命助教 (40448171)

キーワード低出力超音波パルス / 骨折治療 / 骨折血腫 / 偽関節 / 新鮮骨折
研究概要

平成22年度の研究テーマは、「偽関節症例のタイプによる、偽関節細胞のLIPUSに対する反応性の比較」であった。
まず前年度も報告したが、偽関節細胞培養系においては、骨折血腫細胞と同じ条件でLIPUSのみを作用させても明らかな骨分化促進作用は認められなかった。この結果は、やはり新鮮骨折で生じる骨折血腫細胞と、長期間骨癒合しない状況下に置かれていた偽関節細胞では、その細胞活性に違いがあるものと考察された。そのため、BMP-7 (Bone Morphogenetic Protein-7)存在下にある程度、偽関節細胞に分化誘導をかけてLIPUSの作用を検討した。BMP-7は強力な骨形成能を持つ蛋白質で、欧米においてはすでに難治性骨折治療などに臨床応用されている。LIPUSはBMP-7刺激を受けた偽関節細胞の骨芽細胞系細胞への分化を更に促進するという結果を得た。この結果から、臨床応用する場合、偽関節治療においてBMP-7とLIPUSを併用することでそれぞれ単独よりも優れた治療効果が期待されるという新しい知見が得られた。
骨折が治癒しない偽関節にもいくつかの種類がある。代表的なものとして肥厚型偽関節、低形成型偽関節、骨欠損型偽関節、萎縮型偽関節がある。萎縮型偽関節は症例が少ないので本研究期間中に十分な検討が出来なかったが、肥厚型偽関節、低形成型偽関節、骨欠損型偽関節からは偽関節組織を得ることができ、その組織から分離した細胞を用いて、それぞれのLIPUSに対する反応性を比較した。上記培養条件下において、偽関節のタイプによるLIPUSに対する反応性の違いは認めなかった。この結果のみでLIPUSはどのタイプの偽関節にも同様に有効に作用すると結論づけることはできず、今後も症例数を増やす必要がある。ただし臨床使用において有益な一つの情報が得られたと考えている。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 低出力超音波パルスはヒト偽関節細胞の骨分化能を促進する2011

    • 著者名/発表者名
      古賀敬章, 他
    • 学会等名
      第14回超音波骨折治療研究会
    • 発表場所
      東京ステーションコンファレンス(東京都)
    • 年月日
      2011-01-22

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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