術後VTE発症予測遺伝子およびフォンダパリヌクス反応性関連遺伝子の各候補遺伝子について遺伝子多型解析を行うため、手術患者ほぼ全例にDNA採取に対する協力を求め、同意を得られた患者からはインフォームドコンセントの下にDNA採取を行い、厳格な連結可能匿名化の上で手術データベースと連動させた。 対象患者として(平成16年4月から平成19年6月までに手術を行った手術データベースから)薬物によるVTE予防治療を術直後から行っていない患者を抽出し、DNAが収集し得たTKA137例、THA27例計164例を対象に候補遺伝子の遺伝子多型同定をTaqMan法によって行った。候補遺伝子は血栓促進および凝固経路における第II凝固因子、第V凝固因子、第VII凝固因子、第IX凝固因子、第Xa凝固因子、MTHFR、tPA、PAI-1、VEGF、アンチトロンビン(IIIを含むIからVI)とした。2000年から行っている手術データベース(入力項目 : 年齢、性別、身長、体重、BMI、予防抗凝固薬、有害事象の有無とその内容、術前・術後2日・7日目のDVTの有無、術前・術後翌目・7日目のD-dimer、術前・術後APTT、PT、CRP、MMP-3などの臨床検査値、処方薬[生物学的製剤、抗リウマチ薬、ステロイド薬、非ステロイド性抗炎症薬]、術式、手術時間、駆血帯の使用の有無、駆血時間、手術関連有害事象、疾患活動性指数[disease activity score]、など)の構築の定期的クリーンアップを行った。
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