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2009 年度 実績報告書

神経因性疼痛における前帯状回の役割:痛みの情動的側面に関する電気生理学的検討

研究課題

研究課題/領域番号 20791060
研究機関北海道大学

研究代表者

橘 かおり  北海道大学, 大学病院, 医員 (50374468)

キーワード神経因性疼痛 / 前帶状回 / 電気生理 / 抗うつ薬 / in vivo / シナプス伝達効率 / シナプス可塑性 / 疼痛
研究概要

神経因性疼痛モデルラット(Seltzer model)を用い、神経因性疼痛によるATN-ACCシナプスにおけるシナプス伝達効率(synaptic efficacy)ならびに短期シナプス可塑性(short-term plasticity)の変化の評価を行った。短期シナプス可塑性に関しては、二連刺激による変化(paired-pulse response)をホルマリン注入による急性疼痛モデルにおける変化と比較した。神経因性疼痛モデルラットは、Naive controlと比して有意にシナプス伝達効率を抑制した。急性疼痛モデルでは、シナプス伝達効率は有意に増強した。両群でpaired-pulse responseは変化せず、ATNにおける神経伝達物質の量的な変化(presynaptic)ではなくACC神経細胞の変化(postsynaptic)が生じていることが示唆された。以上のように、神経因性疼痛によりACCの抑制が、また急性疼痛によりACCの興奮が生じていることが示唆された。急性疼痛によりACCの脱分極が生じ、興奮が生じることは、これまでにも報告されており、本実験の結果と矛盾しないと考えられる。一方で、神経因性疼痛によりACCの抑制が生じた理由に関しては、以下が考察される。神経因性疼痛によりACC神経の基本的な活動が亢進しているため、ATNの刺激に対する反応性が低下している可能性がある。また、神経因性疼痛により、ACCにおけるオピオイド作動性の抑制性神経活動が抑制されると言われている。オピオイド受容体の感受性が減弱しているためである。これに伴い、神経因性疼痛による持続的なACCの活動増加が生じ、ATNからの刺激に反応しなくなっている可能性がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] Impaired Synaptic Plasticity in the Hippocampus by Neonatal Pentobarbital Administration2009

    • 著者名/発表者名
      Kaori Tachibana, Rui Kato, Toshikazu Hashimoto, Yuji Morimoto
    • 学会等名
      American society of anesthesiologists annual meeting(ASA)2009
    • 発表場所
      New Orleans, USA
    • 年月日
      2009-10-17
  • [学会発表] 幼若ラットへのペントバルビタール投与は成長後の海馬シナプス長期増強を抑制する2009

    • 著者名/発表者名
      橘かおり、橋本聡一、森本裕二
    • 学会等名
      日本麻酔科学会 第56回学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-08-17

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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