脳損傷時に活性化するマイクログリアは細胞傷害性因子を産生し、脳障害を引き起こす。よって、脳保護を目的とする脳低温療法はそれらの産生を軽減する可能性があり、その機序を活性化マイクログリアの培養系で調べた。その結果、細胞傷害性因子のTNF-α、IL-6および一酸化窒素(NO)は低温下で抑制され、脳低温療法による脳保護効果の一機序に、マイクログリアの細胞傷害性因子抑制が関与することが示唆された。また、高温下ではNO産生のみ増加した。このNO産生の温度依存性変化は、NOが低温下での脳保護効果および高温下での脳障害増悪において、病態把握のための重要なマーカーになりうることを示唆する。
|