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2009 年度 実績報告書

中枢性疼痛の発現機序-脳内交感神経受容体との関連の解明、治療への応用に向けて-

研究課題

研究課題/領域番号 20791089
研究機関大阪市立大学

研究代表者

高橋 陵太  大阪市立大学, 大学院・医学研究科, 病院講師 (00464628)

キーワードアミド型局所麻酔薬 / 脳 / 薬物動態 / リドカイン / 痙攣 / マイクロダイアライシス / ブピバカイン
研究概要

中枢性疼痛に対しては特に有効とされる薬物が無く、鎮痛効果を確かめる目的で局所麻酔薬をはじめとして多くの薬物が試験的に用いられているのが現状である。そこで中枢神経痛およびこれに関与する交感神経に対する局所麻酔薬の効果を検討する目的で、局所麻酔薬素の血管から脳内への移行および脳内の薬物動態を検討した。局所麻酔薬として、リドカイン、ブピバカインおよびブピバカインの一方の光学異性体であるレボブピバカインを用いた。覚醒状態のラットを用い、マイクロダイアライシス法を用いて血中および脳細胞外液中のブピバカイン、レボブピバカインの濃度を測定し、これらの薬物動態を短時間作用型局所麻酔薬であるリドカインと比較検討した。3種類の局所麻酔薬は2時間にわたって持続投与し、その後2時間にわたって血液および脳灌流液の採取を行った。実験中は血圧・心拍数および血液ガスを一定に保った。その結果、ブピバカイン、レボブピバカインとも血中濃度はほぼ等しく、蛋白結合はリドカインよりも高い約80%であった。リドカイン、ブピバカインの脳細胞外液中の濃度は血中の蛋白非結合分画とほぼ等しかったが、レボブピバカインはブピバカインよりも低かった。これはブピバカインの血液中から脳への移行がレボブピバカインに比べて高く、ブピバカインはレボブピバカインに比べて中枢神経に対する作用がより強力であることが示唆された。またブピバカインによる血圧上昇が認められなかったことから、これらの局所麻酔薬は、低用量では交感神経作用は少ないと考えられた。

  • 研究成果

    (9件)

すべて 2009 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 診断に難渋した肩部Glomus腫瘍の1症例2009

    • 著者名/発表者名
      舟尾友晴
    • 雑誌名

      ペインクリニック 30

      ページ: 1265-1267

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 局所麻酔薬の細胞毒性に関して2009

    • 著者名/発表者名
      高橋陵太
    • 雑誌名

      臨床麻酔 33

      ページ: 1297-1298

  • [雑誌論文] Pharmacokinetics of lidocaine, bupivacaine, and levobupivacaine in plasma and brain in awake rats

    • 著者名/発表者名
      Ikeda Y.
    • 雑誌名

      Anesthesiology (in press)

    • 査読あり
  • [学会発表] Pharmacokinetics of lidocaine and bupivacaine in the brain : with relation to plasma2009

    • 著者名/発表者名
      Ikeda Y.
    • 学会等名
      2009 Annual Meeting, American Society of Anesthesiologists
    • 発表場所
      New Orleans, Louisiana, USA
    • 年月日
      2009-10-18
  • [学会発表] デクスメデトミジンとレミフェンタニルを用いた無挿管での喉頭微細手術の麻酔経験2009

    • 著者名/発表者名
      池田優子、高橋陵太、三宅和香子、西川精宣、浅田章
    • 学会等名
      第55回日本麻酔科学会関西支部学術集会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-09-05
  • [学会発表] ラットにおける局所麻酔薬の脳内薬物動態-血中濃度との比較-2009

    • 著者名/発表者名
      池田優子、小田裕、中村武人、高橋陵太、三宅和香子、浅田章
    • 学会等名
      (社)日本麻酔科学会第56回学術集会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2009-08-16
  • [学会発表] ガンマナイフ治療後に再発した三叉神経痛5症例2009

    • 著者名/発表者名
      萩原千恵、長谷一郎、舟井優介、清水雅子、高橋陵太、宮田妙子、舟尾友晴、義元徳祥、西川精宣、浅田章
    • 学会等名
      日本ペインクリニック学会第43回大会
    • 発表場所
      名古屋
    • 年月日
      2009-07-18
  • [学会発表] 当院緩和ケアチームに紹介された骨転移症例に対する疼痛緩和方法についての検討2009

    • 著者名/発表者名
      長谷一郎、鶴田大輔、星学、高田佳江、松井徳造、宮田妙子、高橋陵太、舟尾友晴、浅田章
    • 学会等名
      第14回日本緩和医療学会学術大会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-06-20
  • [学会発表] 帯状庖疹痛、帯状庖疹後神経痛に対して投与した三環系抗うつ薬によるQTb延長効果の検討2009

    • 著者名/発表者名
      舟尾友晴
    • 学会等名
      第39回日本ペインクリニック学会関西地方会
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2009-06-06

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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