研究概要 |
前立腺癌及び腎癌におけるSurvivinの発現を調べ、Survivinの抑制による抗腫瘍効果つき検討した。臨床前立腺組織におけるSurvivinのmRNA発現を定量し、前立腺肥大症に比し、前立腺癌で有意に過剰発現していた。前立腺癌細胞LNCaP,PC-3において、survivin遺伝子に対するsiRNA導入による細胞増殖への影響につき検討し、細胞増殖が有意に抑制された。(Gene Expression of Survivin and Its Spliced Isoforms Associated with Proliferation and Aggressive Phenotypes of ProstateCancer.Urology. 2008) 一方、臨床腎組織におけるsurvivinとsplice variantsのmRNA発現を定量し、survivinの発現量はM1でM0と比し有意に過剰発現しており、survivin2BはT3がT1+T2に比し過剰発現していた。腎癌細胞cakilにおいて、survivin遺伝子に対するsiRNA導入による細胞増殖への影響につき検討し、細胞増殖が有意に抑制された。(Survivin and its spliced isoform gene expression is associated with proliferation of renal cancer cells and clinical stage of renal cancer. Cancer Epidemiology 2009) また、前立腺癌においては活性型ビタミンDである1α,25(OH)2D3とsurvivin発現の関連につき検討した。LNCaPにおいて1α,25(OH)2D3の濃度依存性に細胞増殖が抑制された。一方、DU145においては細胞増殖抑制をきたさなかったものの、siRNAによるsurvivin mRNAの発現抑制下では、1α,25(OH)2D3によりDU145細胞増殖が抑制された。1α,25(OH)2D3の前立腺癌細胞に対する増殖抑制機序、および細胞増殖抑制増感効果にsurvivinが関与している可能性が示唆された(米国泌尿器科学会2009年年次総会、前立腺癌基礎研究セッションI最優秀ポスター賞受賞)
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