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2009 年度 実績報告書

虚血再還流障害に関する研究―ドキシサイクリンは50年の沈黙を破れるか

研究課題

研究課題/領域番号 20791111
研究機関岡山大学

研究代表者

荒木 元朗  岡山大学, 病院, 助教 (90467746)

キーワード腎虚血再潅流障害 / MMP / ドキシサイクリン / MMP阻害薬
研究概要

1. マウス腎虚血再還流モデルを確立した。:8-12週のB6マウスを麻酔下に開腹し、腎動静脈を一括クランプする。電灯・heatpadを用いてマウスの腹腔内温度を32℃に保ち、45分後に腎動静脈を開放(unclamp)する。腎機能の評価は24時間ごとに血清クレアチニンを測定した。腎組織が必要な場合その時点でマウスをsacrificeし、標本を保存し、組織の比較検討を行った。
2. 腎臓の好中球浸潤度の検討
腎臓の凍結切片をAntimouse Ly-6G monoclonal antibody(RB6-8C5)を用いて好中球を免疫染色し、虚血群とコントロール群の間で好中球の浸潤の程度に差があるかを判定した。具体的には光学顕微鏡下(x400)でランダムに選んだ10視野内の好中球の数をカウントし比較した。
3. 白血球が組織内に浸潤するためにはコラーゲンなどの細胞外マトリックスを分解する必要がある。これらの細胞外マトリックスを分解する酵素はmatrix metalloproteinases(MMPs)と呼ばれ、弾性繊維を分解するMMP-2,7,9やコラーゲンを分解するMMP-1,2,8,9,13,14などに細分類される。ドキシサイクリンはこれらのMMPsを広く抑制する作用があり動物実験で広く用いられている。すでにラットの四肢の虚血再還流障害においてドキシサイクリン投与によって組織障害が緩和されたという報告がある。しかし腎臓の虚血再還流障害におけるドキシサイクリンの効果は明らかにされておらず、現在を研究を進めている。今のところ有望なデータが蓄積されつつあり、新しい治療法としての可能性が示唆される。現在この研究をさらに発展させるべく当大学分子医科学教室の協力を得て、ADAMTS1(MMPファミリーに属する多機能タンパク)のノックアウトマウスを入手し、このタンパクの腎虚血再潅流における役割も研究中である。(674字)

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2010 2009

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 術前6週間の免疫抑制で成功したハイリスク生体腎移植の1例2010

    • 著者名/発表者名
      河内啓一郎
    • 学会等名
      腎移植臨床学会
    • 発表場所
      高知
    • 年月日
      2010-01-29
  • [学会発表] 術前6週間の免疫抑制で成功したハイリスク生体腎移植の1例2009

    • 著者名/発表者名
      荒木元朗
    • 学会等名
      透析懇詣会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2009-11-28

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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