本研究は研究内容の性格上、大まかには検体の収集・確保と、そのDNA抽出・解析に分けられる。3年計画のうち、前半は検体の収集を行い、後半は検体の収集及びDNA解析を行っていく予定としている。研究初年の本年度計画は、できるかぎり多くの症例検体数を確保してDNA解析の準備を調えること、また、研究に必要な試薬や備品、設備を整えることでった。検体の収集に関しては、全体の目標症例数を100例としているため、本年度は40例以上の検体を確保することを目標としていた。しかしながら、計画当初には予想出来なかった長期出張、さらには出張延期があり、充分に研究専念することは不可能であり、検体採取は22例に留まった。症例は22例、平均年齢は55.5歳、病理組織型は類内膜腺癌、漿液性腺癌、粘液性腺癌、明細胞性腺癌であった。やはり類内膜癌が多く、type2とされている組織型は少なかった。症例数が少ないものはどうしても精度の高い結果は得にくいため、今後おそらくは、類内膜腺癌を中心として解析を進めていくことが予想される。次年度からは、さらに症例を追加していくと共に、個々の症例ごとに臨床病理学的項目(年齢、組織型、分化度等)をまとめていく。それらと分子学的異常の形態との関連、また、術後補助療法に対する効果、再発再燃の有無との関連を検討していく。 組織型症例数平均年齢 類内膜腺癌18 55.2 漿液性腺癌2 49.5 粘液性腺癌1 63 明細胞性腺癌1 67
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