本研究は研究内容の性格上、大まかには検体の収集・確保と、そのDNA抽出・解析に分けられる。3年計画のうち、前半は検体の収集を行い、後半は検体の収集及びDNA解析を行っていく予定としている。研究2年目となる本年度の計画は、引き続きできるだけ多くの症例検体数を確保してDNA解析の準備を調えること、また、術後追加治療(おもに化学療法)とその治療効果の評価を行うことであった。本年度は30~40例以上の新規検体確保を目指していたが、検体採取は28例であった。術前化学療法行っている症例は予め除外している。症例は28例、平均年齢は63.0歳、病理組織型は類内膜腺癌、漿液性腺癌、明細胞性腺癌および混合性腺癌であった。昨年同様に組織型は類内膜癌が多く、type 2とされている組織型は少なかった。やはり症例数が少ない組織型は除外し、類内膜腺癌を中心として解析を進めていくことになるであろう。得られた類内膜腺癌検体では、すべての検体(昨年度のものも含む)で腺管分離を試みた。分離良好なものではDNA解析サンプルを作成した。次年度は研究最終年度となる。DNA解析を開始するが、子宮類内膜腺癌の発生機序を考慮し、ミスマッチ修復遺伝子のメチル化の検討も研究の要素に加える予定である。個々の症例ごとの臨床病理学的項目をまとめ、それらと分子学的異常の形態との関連、また、術後補助療法に対する効果、再発再燃の有無との関連を検討し、研究結果をまとめて報告する。
|