研究概要 |
【方法】(1)8種の頸癌細胞株における3種のB7タンパク(PD-L1, B7-DC, B7-H4)の発現をFACS法で検討した。(2)各細胞株についてMAPK、PI3-K/Akt、STAT3、Wint/β-Catenin、NF-κBの各カスケード活性をwestern blot法で検討し、B7タンパク発現との関連を検討した。(3)SKG-II株についてMAPK系の各カスケードを阻害剤で抑制し、B7タンパクの発現に影響するか、MFI(mean fluorescence intensity)を用いて検討した。(4)SKG-II株でsiRNAを用いてE6/E7遺伝子を発現抑制し、B7タンパクの発現に影響するか検討した。 【成績】(1)PD-L1は5種、B7-DCは1種の細胞株で発現していたが、B7-H4を発現していたものはなかった。SKGIIはPD-L1とB7-DCをともに発現していた。(2)PD-L1とB7-DCを発現している細胞株の全てにおいてMAPK系であるpErkが高発現していた。(3)SKG-II株においてMAPKに属する3つのカスケードのうちErk系とJNK系をそれぞれ特異的阻害剤であるU0126とSP600125を用いて抑制するとPD-L1とB7-DCの発現がともに抑制されたが、P38系については特異的阻害剤のSB203580を用いて阻害しても発現は低下しなかった。(4)E6およびE7遺伝子の発現を抑制してもPD-L1とB7-DCの発現に変化はなかった。 【これまでの結論】子宮頸癌細胞株のSKGIIではMEK特異的にPD-L1およびB7-DCの発現が制御されている。
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