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2009 年度 実績報告書

子宮頚癌の免疫逃避機構の解明と免疫療法への応用

研究課題

研究課題/領域番号 20791163
研究機関慶應義塾大学

研究代表者

西尾 浩  慶應義塾大学, 医学部, 助教 (90445239)

キーワード子宮頸癌 / 免疫抑制 / シグナル伝達系 / MAPK
研究概要

昨年までの検討で、子宮頸癌細胞株ではMAPK阻害薬により、PD-L1の発現が抑制されることが判明した。これに基づき、本年度はさらに下流のErk1/2の遺伝子抑制実験を行なった。
(方法)(1)SKG-II株に、Erk1およびErk2のSiRNAを導入し、PD-L1の発現を検討した。(2)SKG-IIにレンチウィルスを用いて、ErklとErk2のshRNAを導入し、恒常的にErk1/2の発現を抑制した細胞株の樹立を試みた。(3)PD-L1の発現が抑制された細胞株で、CTLの細胞障害活性が抑制されるか、HLA-A0201拘束性MART1認識CTLを用いて検討した。(4)SCIDマウスにSKG-IIを移植し、Erk1/2のsiRNAを投与することでマウス血清中のMDSCなどの免疫担当細胞に差が出るか検討している。
(結果)(1)SKG-II株において、Erk1またはErk2のみを抑制した場合、PD-L1の発現がそれぞれ21%、25%抑制され、同時に抑制した場合は34%抑制された。(2)レンチウィルスによるshRNA導入は、SKG-II株への感染効率が75%と低率であり、条件を検討したがshRNAの導入は断念した。(3)SKG-II株はA0201は陰性であり、まずA0201遺伝子の導入して、安定発現株を得た。現在、Erk1およびErk2をsiRNAを用いて同時に抑制し、PD-L1の発現抑制を行なった株において、CTLと共培養し、クロミウム放出試験によって、細胞障害活性が増強するか検討している。(4)SCIDマウスへのSKG-II細胞の移植実験は、現在、進行中である。
(結論)SKG-II細胞株では、Erk1およびErk2依存的にPD-L1の発現が抑制される。現在、それによる免疫応答の増強が生じるかin vivoおよびin vitroで検討中である。

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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