研究課題
近年、子宮体癌は増加の一途をたどり、婦人科悪性腫瘍において罹患率・死亡率共に最も高くなることが容易に予想されている。しかしながらその病態については不明な点も多く、治療の個別化にはほど遠い現状であり、本疾患の発がん機構の解明とこれらに基づいたがんの予防と至適治療法の確立は急務の課題である。申請者らは現在までにゲノム変化とエピゲノム変化の両者が子宮体癌発生関与していることを報告してきた(Hirasawa et al. CIin Cancer Res 2003 他)。本研究ではこれをさらに発展させ、高精度ゲノムアレイを用いて子宮体癌のゲノム変化およびエピゲノム変化を探索することを計画している。さらにごく近年、ゲノム情報発現系における新たな調節・制御分子としてマイクロRNA(miRNA)が注目されている。miRNAは蛋白質に翻訳されないnon-codingRNAであり、翻訳阻害あるいはRNA干渉により標的分子を阻害することから、発生・分化のみならず癌遺伝子や癌抑制遺伝子と同様に癌の発生・分化における分子機序に深く関与すると考えられているが、子宮体癌発生におけるmiRNAの関与についての報告は皆無に等しい。本研究ではこれらの情報を統合・解析し、子宮体癌の発生・分化のメカニズムを解明することで、最終的に個性診断および新規個別化治療法の確立を目指した。その結果本年度は子宮体癌細胞株において正常子宮内膜より発現が著明に低下し、プロモーター領域の高メチル化を認め、脱メチル化剤にて発現回復を認めた遺伝子を同定した。さらに470種のヒトmiRNAを一斉検出できるアジレント社milmAマイクロアレイを用い、子宮体癌の悪性度に関わるmiRNAを同定した。
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