研究課題
In vitro月経モデルでの増殖期、分泌期、月経期相当子宮内膜でのcDNA microarrayの結果に基づき、増殖期、分泌期に対しての月経期での増減により、3群に分類して、それぞれに属する遺伝子の発現をRT-PCRにて順次確認していった。その中で、macrophage scavenger receptor1およびHES2の増減は、月経期との相関は認められなかったが、delta sarcoglycanでは、月経期に優位に増加を認めた。次に、タンパク質レベルでの増減をwestern blotにて確認したところ、RT-PCRと同様の増加を認めた。一方、ヒト子宮検体におけるdelta sarcoglycanの発現パターンは、月経周期に関係なく、子宮平滑筋においても、他の平滑筋と同様発現を認めた。また、子宮内膜では、高温期子宮内膜腺上皮細胞において、発現を認める一方、子宮内膜間質細胞では、in vitroの結果とは異なり、増殖期、分泌期においては発現は認めず、月経期においても、極少数の細胞に発現を認めるのみで、大部分には発現を認めなかった。これらの結果において、高温期子宮内膜腺細胞において、本来筋細胞特異的に発現が認められるdelta sarcoglycanの発現が認められており、今後は子宮内膜癌細胞において、その発現がどう変化しているかを探求していくことで、新たな子宮内膜の癌化の指標となる可能性を有している。また、Umezawaらにより、ヒト月経血より、骨格筋細胞および心筋細胞への誘導・分化に成功したという報告(Mol Biol Cell.18(5) : 1586-1594, 2007、Stem Cells Vol.26 No.7 July 2008, pp.1695-1704)における、細胞生物学的機序の解明の足掛かりとなる可能性がある。
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