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2008 年度 実績報告書

子宮頸癌における免疫抑制解除の理論に基づいた新たながん免疫療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20791173
研究機関久留米大学

研究代表者

河野 光一郎  久留米大学, 医学部, 助教 (10320160)

キーワードがんワクチン / 婦人科腫瘍 / 免疫抑制
研究概要

本研究では子宮頸癌におけるpSTAT3と免疫抑制の関係を明らかとし、STAT3を標的とした治療をがんペプチドワクチン療法に併用した新たながん免疫療法の開発のための研究基盤を確立することを目的とした。本年度は、子宮頸癌局所における抗腫瘍免疫応答とpSTAT3の発現および予後との関連についての検討を行った。子宮頸癌の診断で広汎性子宮全摘術を施行した71症例を対象とした。再発例は11例あり、無病生存期間の中央値は10ヶ月(0-59ヶ月)であった。死亡例は10例あり、全生存期間の中央値は28. 5ヶ月であった。免疫組織化学にて腫瘍内浸潤CD8陽性細胞が1視野内に10未満を陰性、10以上100未満を弱陽性、100以上を陽性と定義した。その結果、陰性25例(35. 2%)、弱陽性20例(28. 1%)、強陽性26例(36. 6%)であった。pSTAT3は腫瘍細胞の核内に染色されたものを陽性とし、37例(52. 1%)が陽性と判定された。腫瘍内浸潤CD8陽性細胞の有無、pSTAT3の発現、および病理学的予後因子と臨床的予後に関する検討を行った。単変量解析で予後不良因子であったのは、腫瘍径4cm以上、脈管侵襲、高度間質浸潤、およびpSTAT3陽性であった。腫瘍内CD8陽性細胞浸潤の有無は予後良好の傾向にあった。腫瘍内CD8陽性細胞浸潤と病理学的予後因子およびpSTAT3発現に相関を認めなかった。腫瘍内CD8陽性細胞浸潤とpSTAT3発現をそれぞれKaplan-Meier法で生存分析を行い、Log-rank法で検定したところ、腫瘍内浸潤CD8陽性細胞浸潤あり群において、無増悪生存期間に有意差をみとめなかったものの、全生存期間で予後良好傾向にあった。また、強陽性、弱陽性、陰性の順で予後良好であった。pSTAT3陽性群において、無増悪生存期間、全生存期間とも有意に予後不良であった。CD45ROおよびFoxP3での免疫組織化学を施行したが、現在解析中である。検討した子宮頸癌細胞株のすべてでpSTAT3の発現を確認し、siRNAを導入によりpsTAT3の発現を抑制できた。さらに、免疫抑制性サイトカイン産生の変化を検討することにより、pSTAT3と局所免疫応答の関連について明らかにする予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Distinct patient responses to activation of T cells by free HER-2, G89(777-789)and protected LRMK-linked HER-2,{AE-39 [p776(Ava-774-788)], AE-47[(Ava-776-788)] and AE-37[p776(774-788)]} peptides could lead to development of personalized cancer vaccine2009

    • 著者名/発表者名
      Li Y, Matsueda S, Efferson CL, Tsuda N, Kawano K, Gao Hui, Peoples GE, and Ioannides CG
    • 雑誌名

      Anticancer Res 29

      ページ: 41-58

    • 査読あり

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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