当院で手術に至った好酸球性副鼻腔炎患者2例、非好酸球性副鼻腔炎2例を対象に、十分な説明を行い、同意を得たあとに検討を行った。対象から血液20mlを採取して、比重遠心分離法にて末梢血単核球を分離してPMAとIonomycinで刺激し、モネシンでサイトカインの細胞外放出を阻害してFlow cytometoryにてヘルパーT細胞中のTh1、Th2、Treg、Th17陽性細胞の割合を測定した。測定の方法として抗CD4抗体と抗IL-4抗体(Th2)、抗IFN-γ抗体(Th1)、抗Foxp3抗体(Treg)、抗IL-17抗体(Th17)の二重染色を行った。反応時間は3時間で行った。好酸球性副鼻腔炎患者は非好酸球性副鼻腔炎と比較してIL-4陽性T細胞(Th2)の発現が増強している傾向があった。IFN-γ陽性T細胞(Th1)は好酸球性副鼻腔炎患者、非好酸球性副鼻腔炎患者両群において発現が増強している傾向があった。Foxp3陽性T細胞(Treg)の発現は両群間に大きな差は無く、IL-17は発現を同定することが出来なかった。CD4陽性細胞におけるIL-17陽性細胞の占める割合は少なく、検出が不十分であったので今後PMAの反応時間を延ばしたり、抗体の濃度を増量して再検討するとともに、全体的に対象を増やして有意差検定を行っていく予定である。さらに副鼻腔粘膜局所における各Thサブセットの割合を免疫染色を用いて検討していく予定である。
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