悪性リンパ腫が疑われてリンパ節生検または口蓋扁桃摘出された症例のリンパ節組織から得られた細胞を材料として用い、これよりtotal RNAを抽出しこのRNAを用いてRT-PCRを施行し、Iμ/BCL6キメラ転写産物を定量的に測定している。正常の口蓋扁桃におけるIμ/BCL6キメラ転写産物の発現量と比較し患者のリンパ組織のIg/BCL6染色体転座を有するB細胞の定量を行っている。反応性リンパ節や悪性リンパ腫の様々な病理組織型におけるIg/BCL6染色体転座の頻度や国際予後指標(International Prognostic Index : IPI)との関係を検討している。また、Ig/BCL6転座は、Ig遺伝子のクラススイッチに伴って生じると考えられており、これからactivation-induced cytidine deaminase(AID)と染色体転座との間に深い関連があることが示唆される。AIDにはisoformが存在することが知られているが、これらAID isoformを正常リンパ球に遺伝子導入することによりIμ/BCL6キメラ転写産物の発現が変化するかを調べている。
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