研究課題
20年度は神経細胞でのChR2による生存保護効果についてニューロン分化させたPC12細胞へAAV-ChR2を導入し検討を行うin vitroでの実験を計画していたが、PC12へのAAV-CR2の導入効率の低さから生存細胞数の比較検討結果、細胞死の抑制、細胞の生存維持を確認することができなかった。そこで、in vivoでの実験を同時に進行し、細胞変性後神経節細胞自身の機能が低下し生存率の減少が見られるといわれていることから、ChR2遺伝子を導入した神経節細胞の生存、維持について視細胞変性進行度の違う先天的遺伝盲ラット使用して神経節細胞生存率を観察した。方法は生後3週間で視細胞の変性が始まり、3ヶ月で完全に視細胞が消失してしまう遺伝盲ラットの6ヶ月齢と10ヶ月齢を使用し、ChR2遺伝子の神経節細胞導入率を調べた。その結果、神経節細胞へのChR2遺伝子の導入効率はどちらもほぼ同効率だった。また、機能保持の検討として、光反応による視覚誘発電位を測定した結果、変性進行度の違うどちらのRCSラットでも視覚誘発電位の記録がされたことから神経節細胞の刺激伝達の機能は保持されていると考えられる。これらのことより、ChR2を用いることにより今まで確認することができなかった視細胞変性後の神経節細胞の生存率と残存する細胞の機能の評価を可能にすることができた。以上で述べた神経細胞の生存と残存する機能を知るということは、他器官の神経損傷疾患においても神経細胞の保護、腑活効果の可能性という点により、今後重要な情報と成り得ると考える。
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Cell Struct Funct. 33(1) : 21-6, 2008 33(1)
ページ: 21-26
Proceedings of the 34th Sensory Substi tution Symposium 34
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