研究概要 |
この研究は、黄斑変性の病態解明及び新治療法の開発を目的として計画された研究であり、加齢黄斑変性やそれに類似した病態とも考えられている中心性漿液性脈絡網膜症や網膜色素線条に伴う脈絡膜新生血管などの病態観察を新開発の補償光学適応レーザー走査型顕微鏡や光干渉断層計も用い丹念に行い検討を加えた。具体的には、加齢黄斑変性の中でも定義が明確なポリープ状脈絡膜血管症を有する症例において、最新型の高解像度高速光干渉断層計による詳細な観察(Ojima Y, Am J Retina. 2009)や、その発症におけるARMS2遺伝子の関与の程度(Gotoh N, AM J Ophthalmol. 2009)、高解像度高速光干渉断層計を用いた詳細の観察の結果(Ojima Y, Retina. 2009)を報告した。網膜色素線条に伴う脈絡膜新生血管の全身合併症との相関も報告した(Utani A, J Dermatol. 20010)。加齢黄斑変性の硝子体出血の予測因子に関する報告(Hasegawa T,Am J Ophthalmol. 2009)し、一方で複数例でのベバシズマブ硝子体注射による眼内炎の発症も(Yamashiro K, Retina. 2010)報告した。また、中心性漿液性網脈絡膜症における中心窩領域の視細胞外節の消失(Nakanishi H Retina. 2008)や、中心性漿液性網脈絡膜症とポリープ状脈絡膜血管症の間での視細胞層の厚みの差違についても(Ooto S, Graefe's Archive. 2010)報告した。
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