研究概要 |
いくつかの疫学調査および培養実験結果から網膜へ到達する可視光のうちの青色光により視細胞および網膜色素上皮が障害され、加齢黄斑変性の発症が誘導される可能性があることが示されている。 申請者の所属する研究室では、最近新たに、遺伝子異常により視細胞が脱落する動物(SOD-1-/-mice)を発見し、報告した(Hashizume et. al.Am J Pathol 2008)。申請者が知る限りにおいては、これまで遺伝子改変網膜変性モデル動物を用いた、刺激波長光の違いによる表現型解析はない。そこで、可視光のうち青色光付近の低波長光ではより酸化ストレスがより亢進し、SOD-1-/-miceで見られる表現型が亢進するという仮説を立て、分光透過率の異なるフィルターを通してこの動物を刺激し、その表現型を解析している。 Hashizume論文で使用したSOD-1-/-マウスはC57B6/J backgroundであるが、有色素マウスであるC57B6/Jは光刺激による視細胞死、A2E産生に対して耐性であることが知られている(Wenzel et al.J Neurosci 2001, Kim et al.Proc Natl Acad Sci USA 2004)。よって白色マウスである耐性のないICRマウスとback crossを行った。平成20年度の研究成果としてにてICR backomdのSOD-1-/-マウスの作成に成功した。今後は、このICR backgroundのマウスを用いて、野生型マウスとSOD-1-/-マウスの表現型の比較、および照射する波長の違いによる表現型の変化を解析していく.
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