研究概要 |
我々の研究の目的は、タクロリムス(FK506)の神経保護効果を明らかににすることである。また、神経保護メカニズムは依然不明であり、エリスロポエチン受容体とエリスロポエチンが神経保護因子として働いていることに我々は着目して実験を進めている。メカニズム解明によって、従来の副作用の多いステロイドに代わる新しい薬剤となる可能性がある。 初年度は、EAUに対するタクロリムスの神経保護効果の有効性を評価するあたって、TUNEL法および網膜電図を用いての神経保護効果の評価は困難で、その方法について再検討する必要があった。次年度はその評価方法を再検討して研究計画を立案した。初年度に目標とした、In Vitroでの神経保護効果を評価できる方法を確立することは、今後あらゆる薬剤の臨床応用を行う上で非常に重要でありその意義は極めて高い。次年度も引き続き、1)有効性の評価方法の確立、2)神経保護メカニズムの解明と3)臨床応用、を目標として実験を施行する予定である。 主な追加実験 (1) 視神経に対する組織障害をも同時に評価するために、実験的自己免疫性ぶどう膜炎(EAU)に加えて実験的自己免疫性視神経炎(EON)のモデルも作成して、EONに対するFK506の神経保護効果およびメカニズムも考察する。 (2) さらに、具体的には網膜内に存在するMicroglia, Astrocyte, Muller細胞、炎症細胞を免疫化学染色で同定(CD4, CD8, CD45R, F4/80, CD11b, CD11c)して、神経保護効果のメカニズムについても考察を行う。
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