○LOC387715の発現検討 20年度に引き続きLOC387715遺伝子由来の蛋白質の検出を試みたが、組織由来(サル胎盤、サル眼)、初代培養細胞(ヒトRPE、サルRPE)及び培養細胞(Y79)を用いたレコンビナント発現系のいずれにおいてもウェスタン解析、MS解析法により蛋白質は検出されなかった。また、培養細胞発現系においてプロテアソーム阻害剤(MG132)を添加時すると蛋白質が検出されたことから、細胞内では蛋白質分解系が関与する翻訳後制御を受けていることが示唆された。LOC387715の蛋白質が検出されなかったため、今年度は計画を一部変更し、以下の内容を実施した。 ○LOC387715翻訳のmiRNAによる制御の検討 LOC387715の5'UTRから3'UTRを含む領域をターゲットとするmiRNAをmiRbaseより検索したところ、miR608が同領域に10箇所の結合候補領域を持つことが推測された。培養細胞系を用いたレポータージーンアッセイの結果、細胞内におけるLOC387715配列へのmiR608の結合活性は検出されなかったため、これ以上の検討を中止した。 ○LOC387715のRNAとしての機能検討 LOC387715のmiRNAとしての可能性を探る目的で、同遺伝子領域を含む約10Kbpを探索し、smallRNA領域を推測した。2領域について設計したプローブを用いて、ヒトの種々の臓器における発現を調べた。その結果、1種のプローブで胎盤及び眼特異的なシグナルが検出された。LOC387715のmRNAが主に胎盤と眼でRNAレベルの発現していることと一致する。今後同RNAと眼における機能の関係について調べる。
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