研究課題
新生血管は社会的失明の主な原因疾患である糖尿病網膜症や加齢黄斑変性の主要病態であり、これまでにも新生血管をコントロールするための様々な研究がなされてきている。本研究ではハイデルベルグ社のHeidelberg Retina Angiography(HRA2)を使用して、角膜新生血管内での血小板動態、血管内皮前駆細胞動態の観察を可能するための実験系を確立することを目指して、様々な前置レンズのサイズや度数の検討をすすめた。同時に、より広範囲の観察を可能とするために実体蛍光顕微鏡を用いて、角膜新生血管内での血小板動態、血管内皮前駆細胞動態を観察し、動画として記録できる実験系を確立した。角膜新生血管モデルとしては上皮傷害モデル、硝酸銀モデル、血管内皮成長因子(vascular endothelium growth factor ; VEGF)ペレットモデルを作成し、それぞれの新生血管における発生期・退縮期および安定期での血小板・血管内皮前駆細胞の相互作用を動的に観察することが可能であることを確認した。今後は新生血管の発生期・退縮期および安定期における血小板・血管内皮前駆細胞の相互作用について検討を加えていく予定である。これらの研究から得られた結果により、血小板・血管内皮前駆細胞をターゲットとして新生血管をコントロールする効率的な方法が解明されると考えている。この結果を網膜血管・脈絡膜血管に応用することによって、糖尿病網膜症や加齢黄斑変性の新たな治療戦略が得られる可能性がある。
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Invest Ophthalmol Vis Sci 50
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