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2009 年度 実績報告書

Wilms腫瘍に対するWT1遺伝子のサイレンシングによる分化誘導療法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20791299
研究機関大阪大学

研究代表者

高間 勇一  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (50467560)

キーワードWT1遺伝子 / サィレンシング / 分化誘導療法 / SiRNA / 腎芽腫 / 神経芽腫 / 横紋筋肉腫 / 肝芽腫
研究概要

(1) まずWT1遺伝子の抑制実験を行う前に、まず代表的な小児悪性腫瘍におけるWT1遺伝子の発現を検討した。Real time RT-PCR法によりWT1 mRNAを測定し、internal markerとしてβ-actinを用いて定量した。その結果WT1発現亢進例は神経芽腫で18例中7例に見られ、小児腎腫瘍では腎芽腫10例中8例、腎ラブドイド腫瘍3例中2例に高発現していた。横紋筋肉腫(6例)、肝芽腫(5例)、腎明細胞肉腫(3例)でも発現を検討したが、発現は見られるものの神経芽腫や腎芽腫にくらべる発現レベルは低かった。また、これらWT1遺伝子が高発現の腫瘍において免疫組織染色を行ったところ、検討した腫瘍ではいずれも陽性に染色され、WT1蛋白が確かに増加していることが確認された。これらの検討より、小児腫瘍では神経芽腫と腎腫瘍がWT1遺伝子抑制実験の対象となりうることが示唆された。
(2) 次に、WT1遺伝子発現の抑制実験を行うべく、小児腎腫瘍の細胞株樹立を試みた。しかし、腎芽腫の細胞株は樹立できず、市販されているものの入手も困難であった。神経芽腫の細胞株に関してはsiRNAを用いたWT1遺伝子の抑制を行い、腫瘍増殖に対する影響を検討したところ、予測に反して、遺伝子の抑制により腫瘍増殖の増加がみられた。免疫染色の結果でも、WT1遺伝子が分化した細胞にこう発現であるという結果が得られ、神経芽腫においてはWT1遺伝子は腫瘍増殖よりは、腫瘍の分化に関わっている可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] A Case Report of Cystic Dilatation of the Intrahepatic Biliary Ducts after Kasai Procedure2009

    • 著者名/発表者名
      Yuichi Takama, Takehisa Ueno, Natsumi Tanaka, Hideki Soh, Keisuke Nose, Masahiro Fukuzawa
    • 雑誌名

      Biliary Atresia -Proceedings of the 35th Conference of the Japanese Biliary Atresia Society 1

      ページ: 70-73

  • [雑誌論文] 稀な先天性頚部皮膚病変である正中頚裂congenital midline cervical cleftの2例2009

    • 著者名/発表者名
      高間勇一, 奥山宏臣, 窪田昭男, 中岡達雄, 東孝, 中村哲郎, 福澤正洋
    • 雑誌名

      日本小児外科学会雑誌 45巻

      ページ: 744-748

    • 査読あり
  • [学会発表] Effects of a calcineurin inhibitor, FK506, and a CCR5/CXCR3 antagonist, TAK-779, in a rat small intestinal transplantation model2009

    • 著者名/発表者名
      Takama Y, Miyagawa S, Xu H, Ueno T, Firdawes S, Yamamoto A, Ikeda K, Fukuzawa M.
    • 学会等名
      XIth International Small Bowel Transplant Symposium
    • 発表場所
      Bologna, Italy
    • 年月日
      2009-09-11

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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