preliminary AV shunt loopモデルを作成し、AV shunt loopによって生じる乱流と血栓形成の関連性について明らかににする試みである。 ウサギを用いたマイクロサージャリーにてAV shunt loopモデルを作成し、乱流と血栓形成の関連性について明らかにする事を目的に実験を行った。 大腿動脈・静脈のみのAV shunt loopを作成し、各項目(血流量、血液粘度)を血管吻合時に計測し、血栓を形成するか観察した。ヘパリン投与の有無で比較すると、ヘパリン投与群のほうが優位にAV shunt loopが開在していた。開存したものは2週間ドップラーを用いてloop開存を確認し、2週後にAV shunt loopを取り出し標本固定した。即時に血栓形成したものはそのまま取り出し標本固定した。作成した標本で血栓の性質、量、分布について評価した。 即時閉塞の場合、血栓は血管吻合部よりもAV shunt loopの頂点に存在することが多かった。閉塞群でも閉塞までの期間が長いほうが血栓量は多く、loopを頂点として全体に広く存在した。2週間開存群でも血栓は存在し、loopを頂点として全体に広く存在した。 血栓の性状は、即時閉塞の場合赤色血栓で形成されているが、時間がたった血栓は白色血栓に置き換わり、赤色・白色が混在して存在していた。 血栓の形成には乱流だけでなく、早い血流による血管内皮細胞の障害も関係していると想像された。
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