自家培養脂肪幹細胞を様々なモデルに移植して、移植床の最適条件を検証した。2008年度は、幹細胞を移植するモデルとしてマウスの背部に皮膚観察装置(skin chamber)の作成を行った。2009年度の研究ではラットから脂肪を採取し、脂肪幹細胞の培養の標準化を行った。次に培養し免疫染色を行った脂肪幹細胞を元の個体へ戻し、注入局所へ定着することを確認した。循環不全のモデルとして、背部全体の広さで、一本の動静脈を茎とした有茎皮弁を作成した。このモデルへ幹細胞移植を行ったマウスでは皮弁生着範囲が明らかに拡大した。脂肪幹細胞は皮弁の循環不全を改善し生着範囲を拡大させることが確認された。
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